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のりの世界へようこそ!選び方から裏ワザまで徹底解説

のり、どれも同じだと思っていませんか?

私たちの日常に当たり前のように存在する文房具、「のり」。引き出しの中、ペン立ての中、オフィスのデスクの上、きっとあなたの身近な場所にも一つはあるはずです。書類を貼ったり、封筒を閉じたり、子どもの頃は工作でたくさん使ったりと、様々な場面で活躍してくれますよね。

でも、その「のり」を選ぶとき、どれくらい意識していますか?「とりあえず貼れればいいや」と、なんとなく手に取ってはいないでしょうか。実はそれ、ものすごくもったいないことかもしれません!

一口に「のり」と言っても、その世界は驚くほど奥深く、多種多様です。成分や形状によって得意なこと、苦手なことがあり、用途に合わせて正しく選んで使い分けることで、作業の効率が格段に上がったり、仕上がりの美しさが劇的に変わったりするのです。

この記事では、特定の商品名やランキングといった情報は一切掲載しません。そういった宣伝記事ではなく、純粋に「のり」という文房具そのものにスポットライトを当て、その種類や特徴、上手な使い方、そしてちょっとした裏ワザまで、あなたの「のりライフ」を豊かにするためのお役立ち情報だけを、たっぷりとご紹介していきます。この記事を読み終える頃には、きっとあなたも「のり選びの達人」になっているはず。さあ、一緒にディープな「のり」の世界を探検しに出かけましょう!

のりの歴史をのぞいてみよう

今ではすっかりお馴染みの文房具ですが、そもそも「ものを貼り付ける」という行為は、いつ頃から始まったのでしょうか。のりの歴史を少しだけ紐解いてみましょう。

のりの起源は古代まで遡る

接着剤の歴史は非常に古く、その起源は数万年前の旧石器時代にまで遡ると言われています。当時の人々は、狩猟で得た動物の皮や骨、腱などを煮詰めて作る「膠(にかわ)」や、植物から採れる樹脂、天然のアスファルトなどを、矢じりを固定したり、道具を修理したりするための接着剤として利用していました。これが、のりの原型と言えるでしょう。

歴史の教科書でお馴染みの古代エジプトでは、パピルスを繋ぎ合わせたり、木工品を組み立てたりするために、膠が広く使われていたことがわかっています。ツタンカーメン王の墓からも、膠で接着された豪華な装飾品が数多く発見されているんですよ。まさに、人類の文明の発展とともに、接着技術も進化してきたのですね。

日本における「のり」の歩み

一方、日本では、米を原料とした「続飯(そくい)」が古くから使われてきました。これは、ご飯粒を練って作る、非常にシンプルなでんぷんのりです。平安時代の巻物や屏風など、日本の国宝級の文化財にも、この続飯が使われています。天然素材から作られているため、時間の経過とともに接着力が弱まることもありますが、それが逆に修復を容易にし、文化財を後世に伝える一助となった側面もあります。

江戸時代になると、でんぷんを加工して作られた、より使いやすい「姫糊(ひめのり)」などが登場し、庶民の間にも広く普及しました。そして明治時代以降、西洋の化学技術が導入されると、のりの世界は大きな変革期を迎えます。合成樹脂を原料とする化学のりが開発され、接着力や速乾性、保存性が飛躍的に向上しました。こうして、事務作業や工作など、より幅広い用途で使える現代の「のり」へと進化を遂げてきたのです。

のりの種類とそれぞれの特徴

さて、ここからは現代の私たちが使っている「のり」の種類について、詳しく見ていきましょう。のりは、大きく分けると「成分」「形状」によって分類することができます。それぞれの特徴を知ることが、上手な使いこなしへの第一歩です。

成分による分類

のりの性能を決定づける最も重要な要素が「成分」です。主成分によって、接着力や乾く速さ、使い心地などが大きく異なります。

でんぷん系

タピオカやトウモロコシ、小麦などのでんぷんを主成分とする、昔ながらののりです。黄色い容器に入った、学童用のあの「どうぶつのり」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。安全性が高く、万が一口に入ってしまっても比較的安心なため、特に小さなお子さんが使うのに適しています。

  • メリット:主成分が天然素材なので安全性が高い。比較的安価で手に入りやすい。乾くと透明になるものが多く、仕上がりがきれい。
  • デメリット:合成樹脂系ののりと比べると接着力はマイルド。水分が多いため、乾くのに時間がかかる。薄い紙に塗ると水分で紙が波打ってしまいやすい。
  • 主な用途:子どもの工作、学童用の事務、和紙の接着など。

合成樹脂系

現在、市販されている液体のりやスティックのりの多くがこのタイプです。主成分は、ポリビニルアルコール(PVA)酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂など。化学の力で開発された、非常にバランスの取れた性能を持つオールラウンダーです。

  • メリット:でんぷん系に比べて接着力が強く、様々な素材に対応できる。乾くのが速く、作業効率が良い。水分が少ない処方のものが多く、紙が波打ちにくい。
  • デメリット:でんぷん系に比べると、価格がやや高くなる傾向がある。
  • 主な用途:一般的な事務作業、ペーパークラフト、封筒の封かん、写真の貼り付けなど、非常に幅広い。

合成ゴム系

スチレン・ブタジエンゴム(SBR)などを主成分とするのりです。液状のものや、スプレータイプの製品に見られます。ゴムならではの弾力性が特徴で、接着後も硬くなりにくいという性質があります。

  • メリット:乾燥後も柔軟性があるため、紙だけでなく、布や革、ゴムといった異素材の接着にも向いている。弾力性があるため、少し厚みのあるものや凹凸のある面の接着も得意。
  • デメリット:製品によっては、溶剤特有のにおいがある。換気が必要な場合もある。
  • 主な用途:スクラップブッキングで厚手の紙や飾りを貼る、デザインワークでの仮止めや貼り込みなど。

形状による分類

中身の成分だけでなく、それをどうやって使うか、という「形状」も、のりの使い勝手を大きく左右する重要なポイントです。代表的な形状をいくつかご紹介します。

液体のり

チューブやボトルに入った、最もオーソドックスな形状ののりです。塗り口には様々なバリエーションがあり、それぞれに得意な塗り方があります。

  • スポンジヘッド:塗り口にスポンジが付いているタイプ。ポンポンと押しながら広範囲にのりを広げることができます。均一に塗りやすいのがメリットです。
  • シリコンヘッド:塗り口がシリコンゴムでできているタイプ。滑るようにスムーズに塗ることができ、のりのキレが良いのが特徴。細い線も描きやすく、細かい作業に向いています。使用後にのりが固まっても、指で簡単にはがせるので手入れが楽という利点もあります。
  • 細口ノズル:先端が細いノズルになっているタイプ。点付けしたり、細い線を描いたりといった、非常に精密な塗布が可能です。ペーパークラフトの細かいパーツの接着などで威力を発揮します。

メリットとしては、一般的に接着力が強い製品が多く、細かい部分への塗布がしやすい点が挙げられます。一方で、デメリットとしては、ついうっかり出しすぎてしまい、紙がベタベタになったり、シワになったりすることがある点、そして他の形状ののりに比べて乾くのに少し時間がかかる点が挙げられます。使いこなすには少しコツがいりますが、その分、幅広い用途に対応できるポテンシャルを秘めています。

スティックのり

固形ののりを、リップクリームのように繰り出して使うタイプ。今や事務用、家庭用として最もポピュラーな形状の一つと言えるでしょう。その手軽さと使いやすさから、多くの人に愛用されています。

メリットは、なんといっても手が汚れにくく、狙った場所にサッと塗れる手軽さです。水分が少ないため、紙が波打ったりシワになったりする心配がほとんどありません。携帯性にも優れており、ペンケースに一本入れておくと非常に便利です。また、最近では様々な付加機能を持つ製品が登場しています。

  • 消え色タイプ:塗った時には青やピンクなどの色がついていて、どこに塗ったかが一目でわかります。乾くとその色はきれいに消えるので、塗り残しやはみ出しを防ぐのにとても便利です。
  • シワになりにくいタイプ:水分量を極限まで抑えた処方で、薄い紙や和紙などを貼る際に、その効果を特に発揮します。
  • 強力接着タイプ:スティックのりの手軽さはそのままに、接着力を大幅に高めたタイプ。厚紙や工作にも安心して使えます。

デメリットとしては、液体のりに比べると、製品によっては接着力がややマイルドな場合があることや、広い面積にムラなく塗るのが少し大変な点が挙げられます。また、キャップの閉め忘れには要注意。空気に触れていると表面が乾燥して固まってしまい、使えなくなることがあります。

テープのり

修正テープのような形状で、テープ状になった粘着剤を紙に転写して使う、比較的新しいタイプののりです。そのクリーンでスピーディーな使い心地から、急速にシェアを伸ばしています。

最大のメリットは、速乾性です。塗った(転写した)瞬間に接着できるため、待ち時間は一切ありません。手も机も汚れる心配がなく、仕上がりは非常にスマート。水分を全く含まないので、どんなに薄い紙でもシワになることは絶対にありません。この仕上がりの美しさは、他ののりにはない大きな魅力です。

テープのりの粘着剤(のり)部分には、主に2つのタイプがあります。

  • ドットタイプ:細かいドット(点)状ののりが転写されるタイプ。のり切れが良く、カーブにも滑らかに引くことができます。粘着力も十分で、現在の主流となっています。
  • テープタイプ:隙間なくテープ状にのりが転写されるタイプ。面でしっかりと接着するため、封筒の封かんなど、剥がれてほしくない用途に適しています。

さらに、粘着力の強さにも種類があります。「しっかり貼れる強粘着タイプ」の他に、付箋のように貼ったりはがしたりできる「弱粘着タイプ」もあり、用途に応じて使い分けることができます。

デメリットとしては、他ののりに比べて本体価格や詰め替えテープのコストがやや高めであること、そして凹凸のある面や曲面への使用が難しい点が挙げられます。

スプレーのり

スプレー缶に入っており、霧状にのりを噴射して塗布する特殊なタイプののりです。広範囲に、均一にのりを塗りたい場合に非常に便利です。その特性から、デザインの現場や建築模型の製作、ポスターの掲示など、プロの現場でよく使われています。

メリットは、大きな紙や布、発泡スチロールのボードなど、広い面積に素早くムラなくのり付けできることです。接着力の強さも様々で、強力に接着するものから、貼ってはがせる仮止め用のものまであります。

デメリットは、使用時に周囲にのりが飛び散りやすいこと。作業する際は、床や壁を新聞紙などでしっかりと養生する必要があります。また、噴射される霧を吸い込まないように、必ず換気の良い屋外や専用のブースで使用し、マスクを着用するなどの注意が必要です。手軽に使えるものではないため、使用シーンは限定されますが、ハマる場面では絶大な効果を発揮する、まさにプロ仕様ののりと言えるでしょう。

用途に合わせたのりの選び方

さて、ここまで「成分」と「形状」という2つの軸でのりの種類を見てきました。これらの知識を元に、今度は具体的な「用途」に合わせて、どののりを選ぶのがベストなのかを考えていきましょう。

日常的な事務作業で使うなら

会社のオフィスや自宅で、ちょっとした書類をまとめたり、レシートをノートに貼ったり、封筒を閉じたり。そんな日常的なシーンで最も重視されるのは、「手軽さ」「スピード」、そして「仕上がりのきれいさ」ではないでしょうか。

このような用途には、スティックのりテープのりが最適です。どちらも手を汚さずにサッと使え、貼った後すぐに次の作業に移れます。特に、テープのりはシワにならず、仕上がりが非常に美しいので、プレゼン資料や提出書類など、見た目のきれいさが求められる場面で使うと、その真価を発揮します。

一方で、大量の封筒を封かんするなど、コストを意識したい場面では、スティックのりが活躍します。最近のスティックのりは速乾性や接着力も向上しているので、日常的な事務作業であれば十分な性能を持っています。ペンケースに一本入れておくなら、汎用性の高いスティックのりが便利かもしれませんね。

子どもの工作やペーパークラフトで使うなら

お子さんと一緒に工作を楽しむ時間。ここでは何よりも「安全性」が最優先です。そうなると、やはり主役はでんぷん系ののりでしょう。万が一、お子さんが指についたのりを舐めてしまっても、でんぷんが主成分なので比較的安心です。幼稚園や保育園で広く使われているのも、この安全性が理由です。

広い面を貼る時は、チューブから出して指やヘラで伸ばして使うタイプのでんぷんのりが便利です。細かいパーツを接着する際には、液体のりも活躍します。その際は、出しすぎを防ぐために、一度いらない紙の上に少量出してから、爪楊枝や竹串の先につけて塗ると、きれいに仕上げることができます。

また、小学生くらいのお子さんには、塗った場所がわかる「消え色タイプ」のスティックのりもおすすめです。どこに塗ったかが見えるので、塗り残しがなく、はみ出しにも気づきやすくなります。「自分でできた!」という達成感を、道具がサポートしてくれるのは嬉しいポイントです。

写真やスクラップブッキングで使うなら

大切な思い出を彩る写真や、お気に入りの切り抜きをまとめるスクラップブッキング。ここでは、作品を長期間美しく保つための、特別な配慮が必要です。

最も重要なポイントは、「アシッドフリー」であること。「アシッド」とは「酸」のことで、紙や接着剤に含まれる酸は、時間とともに写真や紙を劣化させ、黄ばみや変色の原因となります。そのため、写真や長期保存したい紙を貼る際には、必ず「アシッドフリー」や「写真に対応」と表示されているのりを選びましょう。

また、写真が水分で波打ってしまうのを防ぐため、水分量の少ないスティックのりテープのりが適しています。特にテープのりは、シワの心配が全くなく、きれいに仕上げられるので、スクラップブッキング愛好家の間でも人気です。

レイアウトを考えながら何度も貼り直したい、という場面では、「貼ってはがせる」弱粘着タイプのテープのりやスプレーのりが非常に便利です。まずは弱粘着タイプで仮止めし、レイアウトが完全に決まったら、強粘着タイプののりで本番の接着をする、という使い分けもプロのテクニックです。

厚紙や段ボールを接着するなら

工作で厚紙を使ったり、引越しの際に段ボールを補強したりと、より頑丈な接着が求められる場面では、接着力の強さが決め手になります。

このような場合は、合成樹脂系の液体のりの中でも「強力タイプ」や「多用途」と書かれたものを選ぶのが良いでしょう。また、少し用途は異なりますが、DIYなどでお馴染みの木工用接着剤も、紙(パルプ)を原料とする厚紙や段ボールの接着には非常に効果的です。白い液体で、乾くと透明になり、強力な接着力を発揮します。

接着する面積が広い場合は、スプレーのりも選択肢に入ります。段ボールの大きな面同士を貼り合わせるような場合には、スプレーのりを使うと、均一で強力な接着が可能です。ただし、使用する際は換気や養生を忘れずに行いましょう。

どんな強力なのりを使っても、きれいに仕上げるコツは、貼り合わせた後にしっかりと圧着し、完全に乾くまで待つことです。本などの重しを乗せたり、クリップや洗濯ばさみで固定したりして、接着面がずれないように工夫すると、より強固に接着できます。

布やリボンを貼るなら

小物作りやデコレーションで、紙に布やリボンを貼りたい時。普通ののりでも一時的にはくっつきますが、時間が経つと剥がれてしまったり、のりの成分が布地に染み出してシミになったりすることがあります。

こうした用途には、やはり「布用」「手芸用」と表示された専用の接着剤を使うのが最も確実です。これらの接着剤は、布の繊維によく馴染み、乾いた後も硬くなりにくく、風合いを損なわないように作られています。中には、洗濯しても剥がれないタイプのものもあります。

また、アイロンの熱で接着する「接着シート」「接着テープ」も非常に便利です。布と紙の間にシートを挟んでアイロンをかけるだけで、簡単に、そしてきれいに貼り合わせることができます。のりのはみ出しを心配する必要がないのも嬉しい点です。

のりを上手に使うテクニック&裏ワザ

自分に合ったのりを選べるようになったら、次はそれを最大限に活かすための「使い方」をマスターしましょう。ちょっとしたコツを知っているだけで、仕上がりは格段に変わります。ここでは、基本の貼り方から、困った時の裏ワザまでをご紹介します。

きれいに貼るための基本の「き」

どんなのりを使うにしても、基本となる手順は同じです。この基本をしっかり押さえることが、美しい仕上がりへの一番の近道です。

準備するもの

  • のり:用途に合わせて選んだもの
  • 貼るもの・貼られるもの:紙や写真など
  • 下敷きやカッターマット:作業台をのりで汚さないための必需品。厚手のチラシやいらない紙でも代用できます。
  • ヘラやローラー(あれば):のりを均一に伸ばしたり、圧着したりするのに使います。なければ、定規の背や乾いた布でもOKです。

貼り方の手順

  1. 接着面をきれいにする:貼る紙や、貼られる側の表面に、ホコリやゴミ、油分などが付着していると、のりの接着力が著しく低下します。乾いた布などで、さっと拭いてから作業を始めましょう。
  2. のりを均一に塗る:ここが最も重要なポイントです!剥がれの原因の多くは、のりの塗りムラです。特に紙のフチ(四隅と四辺)には、意識してしっかりと塗りましょう。中央部分だけ塗って満足してはいけません。全体に薄く、均一に塗ることを心がけてください。液体のりの場合はヘラで伸ばし、スティックのりの場合は縦方向、横方向と格子状に塗るとムラなく塗れます。
  3. 貼り合わせる:のりを塗ったら、いよいよ貼り付けです。空気が入らないように、紙の片方の端から、ゆっくりと滑らせるように位置を合わせます。一気に上からバサッと置くのは、シワや気泡の原因になるので避けましょう。
  4. しっかり圧着する:貼り合わせたら、すぐに終わりではありません。接着剤を紙の繊維の奥までしっかりと浸透させ、定着させるために「圧着」という工程が不可欠です。乾いたきれいな布やティッシュを上から当て、中心から外側に向かって、空気を追い出すように優しく、しかし確実に押さえていきます。専用のローラーやヘラがあると、より均一に力をかけることができます。
  5. 完全に乾かす:特に液体のりやでんぷんのりを使った場合は、この「待つ」時間が非常に重要です。圧着が終わったら、できれば分厚い本などの重しを乗せて、のりが完全に乾燥するまで待ちましょう。この一手間が、後々の剥がれや浮きを防ぎ、美しい状態を長持ちさせます。

ちょっとした困った!を解決する裏ワザ

どんなに気をつけていても、のりを使っていると小さなトラブルはつきものです。そんな「困った!」を解決する、知っていると便利な裏ワザをいくつかご紹介します。

紙がシワシワになるのを防ぎたい

液体のりを使った時の最大の悩み、「紙のシワ」。これを防ぐ最も簡単な解決策は、水分の少ないスティックのりやテープのりを使うことです。しかし、どうしても液体のりを使いたい場面もありますよね。その場合は、できるだけ薄く、均一に塗ることを徹底しましょう。また、塗った後、ほんの少し(数秒〜十数秒)時間をおいて、のりの表面が少しだけ乾いた「半乾き」の状態で貼り合わせると、紙に含まれる水分量が減るため、シワを軽減できることがあります。これは上級テクニックですが、試してみる価値はありますよ。

のりがはみ出してベタベタ…

作業に夢中になっていると、つい、のりがはみ出してしまうことも。そんな時も、慌てずに対処しましょう。

  • 液体のり・スティックのりの場合:乾いてしまう前であれば、濡らして固く絞ったティッシュや綿棒で、優しくトントンと叩くように拭き取ります。ゴシゴシこすると、紙を傷めたり、汚れを広げたりするので注意してください。
  • テープのりの場合:はみ出したテープのりは、なんと普通の消しゴムでこすると、きれいに取れることがあります。粘着剤が消しゴムのカスに絡まってポロポロと剥がれ落ちるイメージです。ただし、紙の素材や印刷によっては、紙ごと毛羽立たせてしまう可能性もあるので、まずは目立たない場所で試してから行いましょう。
  • 乾いてしまった場合:完全に乾いて固まってしまったのりを取るのは厄介です。「のり剥がし」という専用の溶剤もありますが、まずは身近なもので試してみましょう。ベタベタした部分に、セロハンテープを貼って剥がすを繰り返すと、少しずつベタつきが取れてきます。また、ハンドクリームや市販のシール剥がしスプレーに含まれる油分でのりを溶かす方法もありますが、紙にシミが残る可能性が高いので、最終手段と考えた方が良いでしょう。

スティックのりが固まってしまった

久しぶりに使おうと思ったら、スティックのりの表面がカピカピに…なんて経験はありませんか?そんな時も、すぐに捨てるのは待ってください。表面の乾燥して固まった部分を、カッターナイフなどで薄く削り取ると、その下にある柔らかい部分が出てきて、再び使えるようになることがほとんどです。削る際は、怪我をしないように十分注意してくださいね。

テープのりがうまく転写できない

テープのりを引いても、途中で切れたり、うまく紙につかなかったりすることがあります。その原因の多くは、使い方にあります。

  • ヘッドの掃除:まず、先端のローラー部分に、紙の繊維やホコリが詰まっていないか確認しましょう。詰まっている場合は、セロハンテープなどで優しく取り除いてあげます。
  • 角度とスピード:テープのりは、ペンを持つように軽く握り、紙に対して45〜60度くらいの角度を保ち、ゆっくりと一定のスピードで引くのがコツです。寝かせすぎたり、立てすぎたりすると、うまく転写されません。
  • 始点と終点:引き始めと引き終わりに、ヘッドを「トン」と紙にしっかり押し付けることを意識すると、のり切れが良くなり、きれいに仕上がります。

のりの保管方法と使用期限

お気に入りののりを長く、良い状態で使うためには、保管方法も大切です。雑に扱っていると、いざという時に性能を発揮できなくなってしまいます。

正しい保管場所はどこ?

のりは、化粧品などと同じように、デリケートな化学製品です。彼らが最も苦手とするのは、「高温多湿」と「直射日光」です。これらの環境は、のりの成分を劣化させたり、変質させたりする原因となります。

したがって、のりの保管場所として最適なのは、「涼しくて、日の当たらない、乾燥した場所」です。具体的には、引き出しの中や、戸棚の中などが良いでしょう。窓際や、夏場の車内などに放置するのは絶対に避けてください。

そして、基本中の基本ですが、使い終わったら必ずキャップをしっかりと閉めること。特にスティックのりは、キャップの閉め忘れが乾燥に直結します。液体のりも、キャップが緩んでいると、中身が蒸発したり、ホコリが入ったりする原因になります。「キャップを閉めるまでが、のりを使う作業」と心得ましょう。

のりにも使用期限がある?

食品のように、のりに明確な「賞味期限」や「使用期限」が記載されていることは稀です。しかし、工業製品である以上、性能を維持できる期間には限りがあります。一般的には、未開封の状態で、製造からおおよそ2〜3年が品質を保てる目安と言われています。

古くなったのりは、本来の接着力が得られないだけでなく、成分が分離してシミの原因になったり、カビが発生して異臭を放ったりすることもあります。大切な書類や作品に使う前に、のりの状態をチェックする習慣をつけると安心です。

こんなサインがあったら要注意!

  • 液体のり:中身が水っぽく分離している、色が黄色っぽく変色している、ドロドロに固まっている、ツンとした酸っぱいにおいがする。
  • スティックのり:全体が乾燥してカチカチになっている、色が濃く変色している、油が浮いたような感じになっている。
  • テープのり:テープが変色している、テープの粘着力が極端に落ちている。

これらのサインが見られたら、残念ですが寿命の合図です。感謝して処分し、新しいものに買い替えることを検討しましょう。文房具も、鮮度が大切なのです。

ちょっとマニアックな「のり」の世界

さて、基本的な知識はこれくらいにして、最後はもう少しマニアックな「のり」の世界をのぞいてみましょう。知れば知るほど、その進化と工夫に驚かされるはずです。

日々進化する「のり」の機能性

文房具メーカーは、ユーザーの「もっとこうだったらいいのに」という声に応えるため、日々、新しい機能を持ったのりを開発しています。ここでは、そのユニークな進化の一部をご紹介します。

  • 貼ってはがせるタイプ:粘着力をあえて弱くコントロールすることで、付箋のように何度も貼ったりはがしたりできるのりです。テープのりやスティックのり、液体のりなど様々な形状で存在し、資料の仮止めや、レイアウトの検討、マスキングなど、クリエイティブな用途で大活躍します。
  • 四角いスティックのり:「丸いスティックのりだと、紙のカドが塗りにくい!」という不満に応えて登場したのが、断面が四角いスティックのりです。カドの形にフィットするため、フチまでキワまで、きれいにのりを塗ることができます。この発想の転換には脱帽です。
  • ペンタイプののり:まるでボールペンのような、非常に細いペン先を持った液体のりです。ドットやラインを自在に描くことができ、スクラップブッキングで小さなパーツを貼ったり、ラインストーンを付けたりといった、超精密な作業を可能にします。
  • ムラなく塗れる液体のり:スポンジヘッドの液体のりの中には、スポンジ全体に均一にのり液が行き渡るような内部構造の工夫が凝らされているものがあります。これにより、どこで塗っても同じ塗り心地で、ムラのない美しい仕上がりを実現します。

環境に配慮した「のり」の取り組み

近年、SDGsへの関心の高まりとともに、文房具業界でも環境に配慮した製品開発が活発になっています。もちろん、のりも例外ではありません。

容器のプラスチック部分に、再生プラスチックを高い割合で使用した製品が増えています。また、中身を使い切ったら、ケースはそのままに中身(リフィル)だけを交換できる「詰め替えタイプ」のスティックのりやテープのりは、もはや当たり前になりました。詰め替えタイプを選ぶことは、ゴミの量を減らし、プラスチックの使用量を削減する、私たちにできる身近なエコ活動の一つです。

さらに、接着剤の成分自体も、植物由来の原料を使用したり、製造過程での環境負荷を低減したりと、見えない部分でも様々な努力が続けられています。

「のり」にまつわる面白い雑学

最後に、誰かに話したくなるような「のり」の雑学をいくつか。

  • 切手の裏ののり:切手の裏に塗られているのりは、舐めても人体に安全なように、ポリビニルアルコールやデンプンなどから作られています。また、切手収集家がコレクションからきれいに剥がせるように、水に溶けやすい性質を持っているのも特徴です。
  • スティックのりの発明秘話:今では当たり前のスティックのりですが、その発明のヒントは、なんと「リップクリーム」だったと言われています。1960年代、あるメーカーの開発者が、リップクリームを繰り出す仕組みを見て、「このアイデアをのりに応用できないか?」と考えたのが始まりだそうです。一つのひらめきが、世界的な大ヒット商品を生んだのですね。
  • 「のり」の語源:日本語の「のり」という言葉はどこから来たのでしょうか。一説には、アジサイ科の植物である「ノリウツギ(糊空木)」が関係していると言われています。この木の樹皮を剥がして水に浸すと、粘り気のある液体、つまり天然の「のり」が採れたことから、ものを貼り付ける材料全般を「のり」と呼ぶようになった、という説です。植物の名前が、文房具の名前の由来になっているなんて、面白いですね。

奥深い「のり」の世界を楽しもう!

いかがでしたでしょうか。普段何気なく使っている「のり」が、実は非常に多様で、奥深い歴史と技術に支えられた文房具であることが、お分かりいただけたかと思います。

でんぷんのりの優しい感触、液体のりの頼もしい接着力、スティックのりの手軽さ、そしてテープのりのスマートさ。それぞれに個性があり、それぞれの得意な舞台があります。大切なのは、それぞれの特徴を理解し、これから自分がしようとしている作業に、どの「のり」が一番ふさわしいかを考えて選ぶこと。

その一手間が、あなたの作業効率を上げ、作品や資料の仕上がりを格段に向上させてくれるはずです。この記事が、あなたの「のり選び」のコンパスとなり、文房具との付き合い方を、より豊かで、よりクリエイティブなものにするきっかけとなれば、これほど嬉しいことはありません。

さあ、あなたの引き出しに眠っている「のり」を、もう一度見直してみませんか?きっと、これまでとは違った一面が見えてくるはずですよ。

この記事を書いた人
ぬくもり案内人

ふだんは、のんびりとした生活を楽しみながら、毎日の暮らしに“ちょっとしたぬくもり”を届けることを大切にしています。寒い朝に手に取るマグカップ、洗面所にそっと置かれた柔らかいタオル――そんな小さなアイテムに宿る「心地よさ」に魅せられ、気がつけば日用品や雑貨の魅力を伝えることがライフワークに。

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